新宿 行政書士永住⑤「日本人の配偶者等」からの永住申請

query_builder 2024/03/06

「日本人の配偶者等」の在留資格は、日本人と結婚した外国人の配偶者、日本人の子供(養子を含みます)がその典型です。永住権が許可される要件は、 ①その者の永住が日本国の国益に合すると認められること(国益適合要件)②身元保証人がいること、の2点が主要なポイントです。


(1)国益適合要件とは、その外国人が日本国の利益に合致するかという要件です。

具体的には、①婚姻から3年以上経過しかつ日本に1年以上引き続き在留していることで日本継続在留要件とも言われます。 日本人と結婚した配偶者の場合は婚姻の実態が3年以上継続していることが必要です。

この場合、注意すべきは婚姻しても別居している場合です。 単身赴任で別居し毎週末家に帰っているような場合は別居に合理的な理由があるとされますが、場合によっては実態を伴っていないと判断される恐れもあります。また、日本人との婚姻が3年以上経過していれば日本での居住は1年以上でよいとされています。


 「日本人の配偶者等」というのは、実体上の身分関係を言い在留資格(ビザ)としての「日本人の配偶者等」ビザの取得までは必要ありません

例えば、「技術・人文知識・国際業務」などほかの在留資格を取得している場合、日本人と実体を伴うを婚姻して3年以上経過し日本に引き続き1年以上在留していれば該当します。

②日本人の実子または特別養子の場合は、引き続き1年以上日本に在留していることが必要です。ただし、普通養子の場合は、引き続き10年以上日本に在留していることが要件であることに注意しましょう。


公的義務とは、納税義務等のことで、具体的には住民税や社会保険料(健康保険料や国民年金等)を払っているかどうかということです。 ①会社員の場合は、会社で社会保険に加入ているのが通常なので給与から天引きされていれば問題になりません。天引きされていない場合は自ら支払う必要があります。

会社を経営している方も同様で、支払うことは当然なので納期限を守って支払いをしているかが問題になります。  領収書の保管、口座からの自動引き去りの銀行記帳が必要です。 合計記帳など1件ごとに記帳されていない場合は銀行から明細を発行してもらうことにより対応できます。

 会社としての税金(法人税等)と個人としての税金(所得税・住民税等)の両方が審査の対象になります。  会社として各種保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労働保険等)に加入していることも必要です。この場合も納期限を守っているかが問題となります。 納期限を守っていなかった場合は、永住申請をする直近2年間はしっかり納期限を守ることに加え、過去において納期限を守れなかったことの理由等を示す必要があります。


②「日本人の配偶者等」の在留資格の場合は収入の要件が明記されていませんが、実際の審査の場面では収入の要件として直近1年間で300万円以上を満たしていないと不許可になる可能性が高まります。外国人配偶者が主婦(主夫)などで無収入または扶養の範囲内の収入で各種納税関係等の義務を履行できない場合もあります。この時は、日本人配偶者がその要件を満たしていないければなりません。


①現に有している在留資格は最長の在留期間をもって在留していることが必要です。在留期間3年を許可されている場合は最長のものとして扱われます。

②公衆衛生上の観点から有害となる恐れのないこと 感染症患者として指定されている人や麻薬・覚せい剤等の中毒患者等でないことが必要です。

③著しく公益を害する恐れのないこと とは、日本の法令に抵触して、懲役・禁固・罰金に処され特定の期間の経過していないことです。また、日常的な社会生活で、法行為等を繰り返し行っていないことも求められています。車の運転による違反などが該当しますが、軽微な違反でも5回以上行っていると該当します。過去の自身の違反を確認するには、警察から運転記録証明書を取寄せることで確認できます。 ④過去にオーバーステイなどで在留特別許可や上陸特別許可をもらったことがある方は、婚姻が3年以上続いていても日本で1年の在留期間では足りず、その許可をの日から3年以上の日本在留が必要です。


(2)身元保証人

永住申請で身元保証人になれるのは、日本人か、外国人で「永住権を持っている人」です。 日本人と婚姻している配偶者の場合は、配偶者(日本人)や親(日本人)にお願いすることとなるでしょう。 身元保証の内容は、滞在費・帰国費用・法令遵守の3点ですが、よく連帯保証人は嫌だと断られるケースもあります。 入管法上の身元保証は道義的責任で法律的な責任は負いませんので経済的な賠償は含まれていないことに留意しましょう。 従って、万一永住を申請する人が法律違反しても、身元保証人が罰則を受けたり責任を追及されることはありません。 ただ、身元保証についてしっかり説明しても協力を得られない場合、実態のある婚姻生活が継続しているとは認められないことが想定され不許可となる可能性は高まります。

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