実務経験で就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」)を取得したい

query_builder 2024/02/11

新宿区にお住まいの方からのご照会です。

「技術・人文知識・国際業務」など就労ビザの多くは、大学や専門学校で専攻した学科との関係で取得するのが一般的です。


しかし、学歴要件を満たさないため職歴で就労ビザを取得したいとのご要望もあります。


今回ご相談のお客様の知人の方は、留学するため来日し日本語学校に在籍した履歴があります。その後、ご結婚され日本に住んでいましたが、離婚し母国に帰国しました。

日本語学校は就労ビザに必要な大学・専門学校の要件を満たしません


帰国後、地元の不動産会社に就職し20年以上経過し、今回再び来日して日本の不動産関連の会社で働きたいとの希望をお持ちです。


就労ビザは学歴要件を満たさなくても、実務経験が10年以上あれば、ビザを取得できる道は開かれています。

実務経験を証明するものとして必要なものは、その会社の在籍証明書です。


一般に在職証明書には、以下の項目が必要です。


➀申請人本人に関する事項


・被雇用者名 ・国籍 ・生年月日 ・入社日 ・退社日 ・職務 ・勤務時間


②証明する会社に関する事項


・これらを証明する旨の署名 ・証明書発行者氏名 ・発行者の役職 ・会社名 ・会社所在地 ・連絡先(電話番号)


入管では提出された在籍証明書の内容を、必ず外国人スタッフにが電話で確認します。


本人の職務の項目は、実務経験を証明することが中心的な内容なので具体的な記載が求められます。

実務経験と新職務との関連性は、大卒者等の場合とは異なり、限りなく一致していることが要求されます。


経理・営業などを実務経験と記載している場合、それぞれの実務経験と日本の会社での就労予定職務が経理・営業など完全に一致していないと許可されないとの理解が必要です。


例えば不動産業の場合、大きく開発・販売、流通、管理の3分野に分かれます。


不動産業の開発・販売は、土地の仕入れから建物の建設、その後の販売貸出しまでの流れがありいわゆるデベロッパーといわれるものです。ゼネコン・建築会社と共同で住宅や商業施設の開発を行います。


不動産業の流通は、不動産のオーナー(売り手)と顧客(買い手)を結ぶ役割を担います。具体的には、不動産の売買・賃貸の仲介業と不動産の代理販売です。


不動産の管理業は不動産のオーナーに代わって不動産を活用するためのサポートや提案が業務です。不動産オーナーから委託を受けて、ビル・住宅・駐車場などの管理業務を主として行います。


類似した業種に宅建業があります。宅建業は、自社で所有する不動産を直接管理したり貸出す事業はあたりません。

宅建業法に基づき、不動産売買・賃貸の仲介を行う事業者で、顧客から売買手数料や仲介手数料を受け取ることで業務をしています。



現地の不動産会社の業務内容が上記のどの分野に属しているのかを詳細お聞きするとともに、職務経歴書の職務にこれらのどの業務を10年以上経験してきたのか、体的にわかるように記載されていることが必要です。


そして、日本で就労予定の会社の業務や実際に担当する職務具体的に記載され、実務経験した業務と一致していないといけません。


さらに、就労ビザとして、安定的継続的に日本で生活できる条件が整っているかが求められます。具体的には勤務条件(給与、労働時間、日本人従業員との給与比較など)、生活条件(住居関係など)などです。


これらが満たされていると「在留資格認定証明」の申請を入管に行えます。

入管から許可が出ると「在留資格認定証明書」が発行され、それをもって現地日本大使館(又は領事館)査証申請を行います。

その査証を入手すると日本への入国準備は完了します。あとは来日するだけです。

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行政書士 Office Ueda

住所:東京都新宿区西落合3-10-1


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