日本で子が出生したときは出生した日から14日以内に所在地の市区町村長に出生届を出す義務のあることは、日本人・外国人ともに同様です。その際に医師等による出生証明書の添付が必要です。
子の国籍の属する国(父又は母の国籍の属する国)の駐日大使館または領事館等にも出生の届出を行い、旅券(パスポート)の発給を申請します。
その際、父または母の旅券(パスポート)にも子供の名前が記載されます。
子が日本で適法に在留できるようにするためには、出生した日から30日以内に入管に在留資格取得申請をする必要があります。
ただし、出生後60日以内に日本を出国する場合はその申請は不要です。
その子が在留許可を得て中長期在留者となった場合は、在留カードが交付されます。
在留カードを交付されたのち、住居地を定めた日から14日以内に住居地の市区町村長を経由して法務大臣に対し住居地の届出が必要です。
子の在留資格及び在留期間は親の在留資格及び在留期間を考慮して決定されます。
日本国憲法10条は「日本国民たる要件は、法律でこれを定める」とし、これを受けて国籍法2条1号は「出生の時に父又は母が日本国民であるとき」その子を日本国民とすると定めています。
さらに、国籍法2条3号は「日本で生まれた場合において、父母が知れないとき、又は国籍を有しないとき」にも日本国籍を取得するとし、無国籍者を発生させないよう国籍取得に出生地主義のような考え方を導入しています。
夫婦の一方が日本人である場合、生まれた子は日本国籍を取得しますが、その子は入管法上日本人であると同時に、相手外国人の国の国籍も取得して二重国籍になるケースがあります。
日本国との間で二重国籍になった子は、日本国籍を取得しているので入管法上の外国人にはなりません。従って在留資格取得許可は不要です。ただし出生後日本国籍を喪失した場合は、外国人になり不法残留状態になってしまうので在留資格取得許可申請が必要になります。
日本は二重国籍を認めていないため国籍法は「18歳に達する以前に重国籍になった場合は、20歳に達するまでに国籍を選択する」よう期限を定めています。
子が出生により外国の国籍を取得した日本国民で、日本国外で生まれた者の場合は、戸籍法の定めるところにより日本国籍を留保する意思を表示しないと、出生の時に遡って日本国籍を喪失します。(国籍法12条)
子の国籍留保の意思表示は原則として出生後3カ月以内に出生の届出とともに提出することが必要です。
提出先はその外国に駐在する日本の在外公館か本籍地の市町村役場になります。
日本人と外国人との間に生まれた子の戸籍の取扱は子の本国法によるとされています。
そもそも外国人は戸籍の編纂をされません。日本人のみが戸籍の対象になるからです。婚姻によって国籍は変わらないので、日本国籍でない外国人は戸籍に記載されることはありません。
日本人が母親の場合は、市区町村長に出生届を提出し、母の戸籍の中に子の記載がされます。同様に、父が日本人である場合も婚姻成立後から200日を経過してから出生した子は、市区町村長に出生届を提出することにより父の戸籍の中に子の記載がされます。(民法772条第2項)
例えば、外国人の父と日本人の母の婚姻中に出生した子は、出生により日本国籍を取得する(国籍法2条1項)ので、その子は母の氏を称し出生届をもって日本人母の戸籍に編入します。(民法790条、戸籍法18条2項)
なお、父母間に婚姻関係がなく、父の認知等により国籍を取得した場合(国籍法2条3項)は、新しい子の戸籍が作られることになります。
行政書士 Office Ueda
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