出国手続きを教えてください

query_builder 2024/02/03
帰化申請 永住権 在留許可 配偶者ビザ 経営・管理

先日新宿で働いておられる外国人方から出国の手続きについての照会がありました。


一般に、外国人の方が日本から出国すること自体は自由にできるとされています。しかし、日本の国外に赴く意図をもって出国しようとする時は、入国審査官の確認を受けなければならないと規定されています。(入管法25条1項)

ご存じのように、出国の確認は、事前に許可を受けることは不要で、旅券(パスポート)に出国の証印をすることによって行われます。


再入国の許可を受けている者や難民旅行証明書を所持している者は、在留カードを返納せずに持参したまま出国します。

それ以外の中長期在留者は、出国の確認時に直ちに在留カードを返納しなくてはなりません。(入管法19条の15第2項)


②在留期限を経過してしまって不法残留になっていると大変厄介です。出国前に在留期間の更新許可をとる必要があります。


不法残留状態にあると退去強制事由に該当してしまいますのでこのままでは出国できません。

出国手続きの際に、不法残留期間が極めて短く悪意がないと認められる例外的な場合を除いて、以下の取扱になります。


(1)出国命令対象者は出国命令により出国します。この場合、出国後1年間は上陸拒否事由に該当するため日本への上陸はできません


出国命令対象者とは、退去強制事由(入管法24条)に該当する者で以下の5項目のいずれにも該当する者と定められています。(入管法24条の3)


ⅰ すみやかに本邦から出国する意思をもって、自ら入国管理署に出頭したこと

ⅱ 同法(入管法)24条の3号、3号の2,3号の3,3号の4,3号の5、4号のハからヨまで、8号、または9号のいずれにも該当しないこと

ⅲ 入国後に24条の3第3号に掲げられている罪により懲役または禁錮に処せられたものでないこと

ⅳ   過去に本邦から退去強制されたことまたは出国命令により出国したことがないこと

ⅴすみやかに本邦から出国することが確実に見込まれること



(2)退去強制者は退去強制手続きにより退去を強制されます。この場合、退去強制事由により5年間又は10年間の上陸拒否事由に該当しますのでその間日本に上陸できません


出国命令対象者になるか、退去強制者になるかは、入国警備官の違反調査の結果によります。

入国警備官が、退去強制事由に該当すると疑うに足りる相当な理由があるときは、主任審査官の発付する収容令書により収容(身体拘束)することができます。

入国警備官が、出国命令対象者に該当すると認めるに足りる相当の理由があるとする時は、当該外国人を収容することなく入国審査官の審査に引き継がれます。

その入国審査官が出国命令対象者と認定した時は、主任審査官に通知され、主任審査官が15日を超えない範囲の出国期限を定め、本邦からの出国を命令します。この命令を受けるとその外国人は放免されます。


主任審査官は、出国命令の際に、住居および行動範囲の制限その他必要と認める条件を付することができるとされています。

この条件に違反した時は出国命令が取り消されることがあります。取り消されると退去強制事由に該当し、あらためて退去強制手続きが取られます。


退去強制には、3年以下の懲役または禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し、またはその懲役もしくは禁錮および罰金を併科するという規定があります。(入管法70条8号の2,8号の3)

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行政書士 Office Ueda

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