新宿 行政書士 ビザ⑥資格外活動許可と外国人アルバイト

query_builder 2024/02/02
帰化申請 永住権 在留許可 配偶者ビザ 経営・管理

日本に在留する外国人の在留資格は入管法に28種類ありそのうち24種類については、その在留資格を取得している人が日本において活動できる内容を定めている活動類型資格と言われています。「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」「高度専門職」「経営管理」「法律会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「介護」「興行」「技能」「特定技能」「技能実習」「文化活動」「短期滞在」「留学」「研修」「家族滞在」「特定活動」 


残り4つの在留資格は、地位等類型と言われ、いわゆる身分系資格として「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」が定められており、在留活動の範囲について何の制限もありません。




これを資格外活動許可(入管法19条2項)と言います。


そもそも「留学」「家族滞在」のビザは就労を想定していないため日本で働くことは許可されていません。そのため、アルバイトをするためには、一定の制限においてのみ働くことが可能な「資格外活動許可」を申請する必要があります。


これが許可されると在留カード裏面に「許可:原則28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と表記された印が押されます。後付けで押される印ですので

ただし、28資格すべてについて何らかの理由で在留資格を失えば、以後、日本における一切の活動は適法にできなくなります。


活動類型資格を有する外国人は現に有する在留資格に属しない就労活動行ってはならないと定めています。(入管法19条1項)

ただ、その本来の活動を阻害しない範囲で非就労活動(報酬をもらわない活動)を行うことは許されています。


これに対して、取得している在留資格に該当しない活動でかつ収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動(就労活動)を適法に行うためには、あらかじめ法務大臣の許可が必要になります。

資格外活動が許可されるとパスポートに添付する認証シールが又は資格外活動許可証が交付されます。また在留カードの裏面に資格外活動許可の内容が記載されます。ただこの記載は在留カード発行後に記載されるため綺麗にプリントされていると偽造の疑いありと判断されます。



なお、留学ビザで夏季休暇期間などの長期休業期間中は、1日8時間、週40時間まで可能です。ただし、風俗営業には従事できません。


風俗営業とは、パチンコ・ゲームセンター・キャバクラその他性風俗産業などを言います。これらの店舗で接客でなく、皿洗い・ティッシュ配りの業務も同様に不可です。



そもそも資格外活動の許可の不要なものとして、入管法は以下の4つを念頭に置いています。


➀業として行うものではない講演に対する謝金(入管法施行規則19条の3の一)

②日常生活に伴う臨時の報酬など(入管法施行規則19条の3の二)

③現在の在留資格で認められている活動(入管法19条1項)

④就労活動に制限のないビザ(上記の4資格)を所有する外国人のする就労活動(入管法19条2項)

です。



資格外活動には、包括許可個別許可があります。


包括許可は、雇用主の名称・所在地・業務内容等をあらかじめ指定しない場合の許可で1週につき28時間以内の就労活動が許可されます。従って、勤務が決定する前から許可を申請できます。 また、アルバイトの範囲ですが、単純労働も可能です。


「技能実習生」「研修生」は、技能実習や研修に専念させるため資格外活動許可はされていません

また、「短期滞在」者はその在留資格の性質から、原則として就労を目的とする資格外活動の許可はしないものとされています。


包括ビザに該当しないものは、個別許可が必要です。

個別許可では雇用主の名称・所在地・・業務内容等に基づき、あらかじめ申請することが必要で、その内容に応じて個々に活動を指定します




身分系のビザを取得している外国人は、日本人同様、風俗業も含めどのような仕事にも就くことができます。就労時間の制限もありません。


ただ、「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」のビザを持っている配偶者の場合に風俗業に就いていると、夫婦としての実態の有無を疑われる可能性もあります。配偶者という在留資格を基礎づける活動に反すると判断されるからです。

このような疑念を当局にもたれると、次回ビザ更新で問題(在留期間の短縮在留許可の取り消しなど)となる可能性は否定できませんので注意が必要です。


資格外活動許可を得ずに、当該限定された範囲を超えて就労活動を行ったり、就労できない資格を有する外国人が資格外活動許可を得ずに就労活動を行うと、入管法上の違法な就労活動に該当します。


その結果、その外国人には資格外活動罪(入管法70条1項、73条)が成立します。また、資格外活動を「専ら」行っていたと「明らかに」認められる者及び入管法73条の罪により禁固以上の罪に処せられた者は、退去強制事由(入管法24条4項イへ)に該当します。


さらに、入管法上違法な就労活動をさせたものは、不法就労助長罪(入管法73条の2)に該当します。また、不法就労活動をさせ唆し、又は助けた者は退去強制事由(入管法24条3項の4イ)に該当します。


違法な資格外活動はこのように重大な結果を招きますので安易な取扱いは厳に慎むべきです。










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