帰化、永住などの許可申請する際に、「素行要件」と言われるチェックポイントがあります。抽象的には、日本に在留している際に問題行動を起こしていないかということですが、真っ先にイメージされることは、傷害など暴力事件、万引きなど窃盗事件、最近よく報道される強盗事件などを起こしていないかということです。
もちろん刑事告訴されたり、実刑判決を受けた場合は明らかに問題となります。そこまでいかなくても、警察のご厄介になった場合も何らかの情報が入管当局にもたらされていると思う必要があります。
他方交通事案については外国人の皆さんの認識には濃淡があるように思えます。交通事案のなかで人身事故など重大事故は上記と同様ですが、軽微な交通違反の場合は軽く考えている場合が多く見られます。一時停止違反、駐車禁止、制限速度違反・・・。
小職も時間により右折が規制されている道路を思わず右折したら、自転車のお巡りさんが待っていて呼び止められ1万円の反則金を取られた経験があります。右折禁止時間に入って5分も経過していなかったことやお巡りさんが待っていたことから嵌められたみたいな感覚になりました。また制限速度違反の場合に、自分よりもっとスピードを出してる車が横を通り過ぎているのになぜ自分が捕まるのかと文句を言う人もいます。わかるような気がしますが、自身が法令違反をしていることは事実ですので仕方ないですね。
「素行要件」で微妙な話は交通違反の場合です。「こんな程度なら大して問題ないだろう、法務局や入管に申告は不要だろう、違反回数が多くなったので過少申告しようとか」とか。先日も新宿でご相談を受けた時に同様の質問がありました。
しかし、当局は過去の違反摘発記録は、刑事事件はもとより交通違反についても軽微なものを含め完全に把握しており、その事実を正しく申告し反省しているかを見ています。この証明書は許可申請時の必要書類の一つになりますので、申請者が「素行要件」を申告する場合は、事実を正しく報告しそれに対する自己評価(=反省)を示すべきという結論に達します。
「そんなこと言ってもいつの時点の分まで申告すればよいのか、昔のことは完全には覚えていない」と言われる方もおられます。そこで必要なのが「運転記録証明書」です。
自動車安全運転センターというところがこの証明書(1通につき670円)を出してくれます。近くの交番・警察署に申請のための手数料振込用紙があるのでそれをもって郵便局で振り込むと大体10日程度で送付されてきます。この証明書の提出は最長の5年分記載されたものが必要です。
許可基準には具体的に示されていませんが、5年で5回、最近は直2年3回がギリギリと言われています。また免停など重大事故やスピード違反で赤切符を切られた場合などは、そこから5年経過しないと申請は難しいと判断されます。また審査期間中の交通違反もカウントの対象になりますので、帰化申請のように審査期間が1年を超えるなど長期の申請は審査期間中の違反も要注意です。
行政書士 Office Ueda
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