新宿にある企業に既に5年近く勤務されている外国人の方から、自分は永住申請の要件を満たしているか教えて欲しいとのご照会をいただきました。
早速新宿駅近くで待ち合わせ詳細をお聞きしました。ご本人は日本に留学で来日し、卒業後は日本の企業に就職し毎日まじめに勤務されているとのこと。在留資格も「技術・人文知識・国際業務」を取得更新され、現在は3年の在留期間をお持ちです。通算在留期間も10年を超えているので、要件としては永住申請が可能と思われました。
更に詳細をお聞きするうちに、1年前に体調を崩され約1年間の休業を余儀なくされていたことがわかりました。
外国人の方が健康を害して会社を休むことは、日本人同様に労働基準法等の法令上も当然認められていることですのでそのこと自体は特に問題はありません。
問題は入管法上の在留資格の有無に影響することになるかどうかです。
在留資格は日本に在留している間の活動内容を定めているので、そこに定められている内容に該当する活動をしていないと判定されると、次期在留資格の更新に影響します。また、就労系の在留資格の場合、帰化や永住申請の際に許可されている資格で、継続して日本に在留して活動していることの要件や年収要件を満たさない恐れがあります。
会社を休業したり、海外に出国したりする場合、通常「3ヵ月」が一つの目安になります。
従って、例えば3ヵ月以上会社を休んでいた場合、離職して3ヵ月以上経過する場合、離婚して半年以上たつ場合、海外に出国して3ヵ月以上たつ場合は要注意です。その在留資格に該当する活動を継続していること、あるいはその活動をしていなかったことについての正当な理由があることの立証が必要です。
健康を害している場合によくあるケースとして、休業している間に母国に帰国して療養し、既に3ヶ月以上経過してから帰国した場合です。
休業期間が長くなると、会社に復職できないケースや復帰しても配置転換により仕事の内容が大きく変わったり給与が大幅ダウンするケースもあります。
在留資格は活動の内容により許可される内容が定められていますので、仕事の内容の変化によっては、「在留資格の変更」が必要な場合や年収水準から在留期間の更新が拒否される場合があります。
病気で休業中に3ヵ月以上出国した場合もその理由が必要です。特に病気の内容が精神的なものの場合は、母国での医師の診断や療養内容など、より詳細な説明が必要となる場合もあります。
また、その期間が在留資格の定める活動の内容に問題があると判断されると、その後の帰化や永住申請の際に、継続して日本に在留する住所要件(=日本に正規に在留し活動している要件)に触れる可能性もあり、この場合は在留期間がゼロクリアされることもありえます。
今回のご相談では、病気が理由で日本と母国の医師から診断書を取り寄せていること、復職後も前職務を継続でき年収水準も休職前と同水準であること、休業期間中に減収になったものの収入基準をクリアーしていること、出国期間が3ヵ月を経過していなかったことから、事情説明と立証資料を準備することにより、永住許可申請は可能と判断しました。
行政書士 Office Ueda
住所:東京都新宿区西落合3-10-1
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