新宿 行政書士 永住②年収要件1

query_builder 2023/11/25
永住権 配偶者ビザ

ベトナムからの留学生で来日し、無事大学を卒業後、就職5年が経過した。学生時代の彼女と結婚、娘に恵まれ第2子も妊娠中。「この節目のタイミングで永住許可を申請したい」との相談があり、新宿で面談しました。

永住申請をするには、素行要件、独立生計要件、国益適合要件の3要件と身元保証人が必須です。


新宿の企業にお勤めで、外見からも30歳を超えた真面目な青年ということで好感を持てました。勿論、刑事事件に関わったことはありません。

詳細お伺いするといくつか課題が見えてきました。


最も大きな課題は年収問題です。

独立生計要件として問われる年収は、過去5年間に遡り年間300万円以上あることで、とりわけ東京では最近厳しく見られています。就職後2年目以降は、350万から400万円の年収があり、来年も昇給が見込まれるようです。

しかし、1年目は在学中の1月から3月までの収入を加えても300万円ギリギリです。


就職初年度に300万円以上の年収を取れるケースは稀です。月収が25万円以上あれば12ヵ月で300万円になります。しかし、4月入社のため9カ月しかなく、在学中のアルバイト(資格外活動)の実際を考えると、ほぼ300万円を超えません。

また、子供と配偶者2人を扶養しているため更に年収基準は加算されます。


このような場合初年度の年収が300万円を超えていれば次のような選択が可能です。

一つは、本人のみ永住申請をして、その許可を得てからすぐに家族を「永住者の配偶者等」のビザで申請する方法があります。

二つは、1年申請を待って、収入基準を完全にクリアーしてから申請する方法です。通常、後者を取るケースが多いです。

「高度外国人材」のポイントお持ちの場合は、年収基準が3年分以下になるため可能性が出てきますが、今回のケースは基準未達でした。


毎月の収入実態から言って、初年度の年収は9ヵ月しか計算の対象にならないためで、生計が不安定になっていたとは思えないのですが本人にとっては納得できない部分がありましょう。

しかし、入管当局の内部の判断基準ですので許可を得るのは難しいと判断されます。ただ、本人の年収がギリギリ(例えば、10万円未満)不足の場合、あえて申請を希望する方もまれにおられますが、九分九厘ダメと覚悟しておいた方が良いでしょう。


収入の証明が取れる6月ごろに、本人単独で申請するかを再度相談することで終わりました。



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行政書士 Office Ueda

住所:東京都新宿区西落合3-10-1


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